耐震偽造問題その後

11/28のエントリでも書きましたが、建築業界全体(とは言いませんが)、下層の部分(所謂下請け業者)は発注元からの無理難題に押し付けられて、低価格で施行せざるを得ない→暗黙の了解のうち手抜き工事を行ってしまう、という悪循環に陥っているのが現状ではないでしょうか。

安普請のマンションを、高級感ただよわせるために、エントランスなどを大理石でゴージャスに仕上げ、欠陥部分をさらりと隠し、購買意欲をそそらせるのです。

実際に購入してしまわれた方は、お気の毒であるとしか言えないのですが、契約時に入念にチェックする必要もあったのではないでしょうか。

話を転じて、耐震強度の点検作業自体は、おそらくマニュアルとおりにやっていたのではないかと察しますが、そのマニュアルに抜けがあったので、今回のような事件につながったのではないかと思います。

最近では、企業や団体などがプライバシーマークISMS情報セキュリティマネジメントシステム)の認証取得に躍起になっていますが、これらの認定・認証も、マニュアルに基づき文書や組織体制を形式上整えれば、認証機関などに認めてもらえます。

認証機関は、実際にその企業や団体の内情まで突っ込んで審査しないので、これらの資格を取得した企業や団体が安全だとは言い切れないのです。

実際、これらの資格を取得した企業や団体による情報漏えい事件が後を絶たないのは事実ですから。

要は、点検作業というものが万能ではない、ということです。