収拾がつかないジェイコム株事件

<みずほ誤発注>利益返上の行方混とん 賠償責任所在も不明(毎日新聞)によると、

みずほ証券によるジェイコム株の誤発注問題で、約400億円にのぼる損失の分担と誤発注で利益を上げた証券会社の利益返上の行方が混とんとしてきた。損失分担をめぐる、みずほと東京証券取引所の交渉はこれからだが、東証は売買システムに欠陥はあっても賠償責任はないとの立場で、法廷闘争にもつれ込む公算が大きい。欠陥のあるシステムを提供した富士通東証の交渉も不透明だ。一方、利益返上は、日本証券業協会が20日、証券会社に要請する予定だが、根拠がないとして実施をしぶる社も出始めており、こちらも難航が予想されている。【後藤逸郎、竹島一登、上田宏明】

ということで、利益返上を行うと声明を発表していた証券会社(特に、UBSグループなど)は返上を渋っているようです。
UBSグループは、株主に対する説明責任がつかない、ということで確かに何のために利益返上をしなければないらないのか、(政府からの強い圧力だけでそのようなことを決めていいのか)というジレンマが多かれ少なかれあるようです。

もう一つ気になった事があるのですが、金融機関の基幹システムなんかは契約が結構いいかげんで、賠償責任などの条項が明記されていないことが多いのが実情なんですよね。

特に問題が起こることなく取引が行われているときは、特に気にもとめないことですが、クリティカルな事件に発展した場合に、責任の所在まで明確に契約条項に記載されていないことが多いので、今回のような事件にまで発展してしまった場合の責任分解点まで考慮していないことが露呈してしまうわけです。

まだまだこの事件、長期戦の様相を呈してきそうです。今後の動向から目が離せませんね。