仰木監督の死に想いを馳せる

数日前(12月15日)、テレビを何気なく見ていたら、

『元オリックス監督の仰木彬氏が死亡』

のテロップが流れていた。

これを見たとき、「えっ、冗談でしょ!」と思ったのは言うまでもありません。

享年70歳。早すぎる死です。

彼には、混迷を極める日本のプロ野球界でもう少し頑張って貰いたかったのが偽るざる本音です。

彼なくして、野茂やイチローの今日までの活躍は有り得なかったことでしょう。

遅まきながらではございますが、御冥福をお祈り致します。

ところで、[ゴーログ]経済界に仰木監督がほしい!:野茂企業やイチロー会社は出てくるか?では、経済界に野茂やイチローのような天才肌の企業家が出てくるか、について述べられていますが、現状の日本の状況を考えると、ちと厳しいかなと思います。

確かに、ライブドア堀江社長など、いわゆる「ヒルズ族」の台頭は目覚しいものがありますが、彼らは自分の才覚でのし上がってきたので、必ずしも、仰木監督のような「名伯楽」の指導の元に今日の繁栄を築いてきたわけではありません。

いわゆる大企業では、上司の命令は絶対であり、部下はそれに逆らうことは即ち、「左遷」や「リストラ」を意味します。

このような土壌のもとでは、「ベンチャー精神」を培うことは極めて厳しい状況にあるといえるでしょう(尤も、最近では総合商社などで、「社内ベンチャー制度」などを活用して、「企業家マインド」を醸成する動きもあるようですが)。

アメリカでは、ベンチャーキャピタリストが起業を目指す若者に対して惜しみない支援を施し、それがたとえ失敗したとしても、「起死回生」のチャンスを与えてくれます。

一方、日本の現状はどうかというと、一度起業に失敗してしまうと「ドロップアウト」の人生まっしぐらです。

この辺りの制度(「敗者復活戦」)を根本的に見直していかないと、「起業」を目指す気概ある人が増えてこないのではないか、と個人的には思います。