NTT対ソフトバンク戦争の行方 [コラム](週間!木村剛)

電話加入権、そうです。メチャクチャ高かったです。当時大学生だった私は、就職の際、上京するためにわざわざNTTに高いお金を払って固定電話の使用権を獲得しました。現在は、固定電話、正直言って全く使っていません。殆ど携帯電話で事足りています。
ところで、IP電話の件ですが、皆さんご存知でしょうか?国内ではNTTとソフトバンクの覇権争いがまことしやかに騒がれていますが、これをグローバルな視点で捉えてみましょう。IP電話というものは、SIP(Session Initiation Protocol)というプロトコル(つまり、インターネットを介した音声通話などを統合して通信可能にするプロトコル)に基づき実装されているのです。これは、IETF(Internet Engineering Task Force) が中心となって策定したプロトコル(同じ土俵でキャッチボールできるように定めた決まり事)なんですが、実は結構あいまいなんです。ちなみに、IETFが策定したSIPの仕様は、RFC(Request for Comment)またはドラフト版が公開されています。SIP関連のRFC/ドラフト(by SOFTFRONT)。欧州や米国のVoIPベンダが策定した仕様が今やデファクト・スタンダードとなりつつあり、日本のベンダ仕様は互換性が低いのです。これは非常に由々しき事態です。SIPVoIPについては、@ITというポータルサイトに詳細記事が掲載されています。IP電話導入のためのネットワーク必要条件,
IP電話を使うなら知っておきたいパケット制御をご参照ください。
国内のIP電話の覇権争いが、NTTorソフトバンクどちらに転ぶか、については特に興味を抱きませんが、国際的な視野に立つと、欧州連合に牛耳られてしまうことが、問題の本質であると捉えています。