リコール隠しは企業体質?

本日のキムタケさんのエントリは、三菱自動車の社員と同じ穴のムジナなのですというタイトルです。その中で、一連の三菱自動車の不祥事にまつわる顛末が鋭い視点で紹介されています。
以前から、この手の不祥事は後を絶ちません。毎日のようにマスメディアを賑わせていますが、コンプライアンスを無視して、ひたすら利益を求める結果、このような事態に陥っていることが事の本質であるようです。
また、上司からの命令により、「とにかく、営業成績を上げることが先決だ!利益を上げられないような社員はウチには要らない!」と言われて、社員の皆さんはコンプライアンス違反だとわかりつつ、どうしようもなくやってしまう、ということが背景にあるのではないでしょうか?
以前、リクルートでお勤めであった田中辰巳さんという方が、「企業危機管理 実戦論」(ISBN:4166600435)で、自らの体験を元に、いかにすれば企業不祥事に対応すればよいかを、具体例をまじえつつ解説されております。
また、同じ自動車業界として、瀕死の日産自動車を見事再生したカルロス・ゴーン氏は、自ら率先して、「リコール隠しをするような社員はわが社には要らない」と明言されています。この点が、三菱自動車の企業体質と大きく異なる点ではないでしょうか?
このように、企業の不祥事体質を改めるには、まず、経営陣がコンプライアンス遵守を明確に世の中に掲げ、それを社員に染み込ませること(教育・訓練など)しかないのではないでしょうか?
莫大な時間と労力はかかると思いますが、長期的な視点で捉えれば、決して無駄な投資とはならないはずです。
話は脱線しますが、昨日鈴鹿サーキットでF1グランプリが行わました。結果は、「赤い皇帝」こと、シューマッハーが圧勝でした。彼は、F1参戦の当初、まだ弱いベネトンのドライバーでしたが、自らのドライビングテクニックを持ってして、見事優勝するまでに至りました。そして、ブランドだけは立派でしたが、決して強いとは言えないフェラーリに移籍し、長い時間をかけて今では最強チームに育てあげました。
このように、個人の力でも組織全体を変革できることもあるのです。
追記:
企業の危機管理とリスクマネジメントに関して、学術的に纏まっている本があります。
「危機管理とリスクマネジメント」(ISBN:4495363328)
著者である亀井利明氏は、日本リスクマネジメント学会の会長も務められています。